· 

精神科 くすりのはなし⑪ セロクエル(クエチアピン)

 セロクエル(一般名クエチアピン)は、第二世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)です。

 多様な受容体に作用するため、MARTA(Multi-Acting Receptor-Targeted Antipsychotic:多元受容体標的化抗精神病薬)と呼ばれています。過剰なドパミンの働きを抑える働きがあるため、統合失調症の治療薬として開発されました。

 

 

 幻聴や妄想といった陽性症状に対する効果はマイルドですが、陰性症状(意欲減退や感情鈍麻)や認知機能の改善に効果が期待されます。

 さらにセロクエルは、気分の安定にも効果が期待できるお薬であることがわかっており、うつ病・うつ状態や双極性障害(躁うつ病)の治療薬として使われることがあります。セロクエルには鎮静作用が期待できるため、衝動コントロールや不眠にも使われることがあります。

 

 

 セロクエルの作用の特徴として、ドパミン受容体への結合が緩やかで、すぐに受容体から離れ、ドパミンをブロックしすぎないため、ドパミン関連の副作用も軽減されています。

 

 さらにセロクエルは、気分安定薬としての効果も期待されます。

 抗躁効果:気分の高まり(気分の山)を鎮める

 抗うつ効果:気分の落ち込みの改善

 再発予防効果:気分の波(気分の山と谷の落差)を小さくする

 

 また少量で、認知症の周辺症状であるBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms ofDementia)などにも使われることもあります。

 

 

<セロクエルのメリット>

 陰性症状や認知機能の改善

 副作用が比較的少なめ

 気分安定作用

 鎮静作用(不眠や不安時)

 ジェネリックあり(リーズナブル)

 

<セロクエルのデメリット>

 陽性症状に対する効果が不安定

 体重増加や血糖値に注意(糖尿病患者には禁忌)

 眠気やふらつきの副作用がある

 

<セロクエルの主な副作用>

傾眠(4.3%)

高血糖(3.3%)

便秘(1.9%)

肝機能障害(1.6%)

倦怠感(1.3%)

 

 

 統合失調症が疑われる症状でお悩みの方は、銀座スピンクリニック精神科 心療内科へ一度ご相談ください。

 当院では一人一人の状況をお聞きし、依存性の少ないお薬から処方しております。 

 

 

銀座スピンクリニック 

心療内科 精神科

 

受付時間 平日11:00~19:30 

     土日祝11:0017:00 

   TEL03-6264-5125