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精神科産業医コラム 長時間労働とメンタルヘルス

過重労働は心身の健康に深刻な影響を与えることが広く知られています。

 

月の時間外が80時間を超える長時間労働は、過重労働の典型例であるが、長時間労働によって、

心身の疲労回復に必要十分な睡眠時間の確保が困難になることが問題となります。

 

睡眠時間とメンタルヘルス不調には密接な関係があり、睡眠時間の減少はメンタルヘルス不調の発症リスクを

高めるとされており、働き方改革以降、少なくとも6時間以上の睡眠時間の確保ができるような労務管理が

事業者には求められています。

 

しかしながら、実際の現場では人手不足や長期間に及ぶ繁忙期により、労務管理が及んでいないケースで

本人のセルフケアや周囲の人からのケアやサポートが手薄で、かつ本人も限界まで医療機関を受診せず

頑張り続けてしまい、いよいよ就労が厳しくなり、精神科や心療内科を受診した頃には、

ドクターストップすなわち休職しか道がないケースをこれまで精神科産業医としても精神科主治医としても多く

フォローしてきました。

 

職場や家庭で、家族や上司、部下、同僚の勤怠、パフォーマンスや表情がいつもと違う、おかしいと気付いた場合、

すぐに精神科や心療内科を受診するよう背中を押してあげることが望ましいです。

 

早期に受診して軽症であれば、「休職」以外にも「就労と治療(外来通院)の両立」という選択肢があるからです。

 

当院精神科・心療内科の「はたらく人のこころの外来」では、

精神科産業医として都内大手企業から中小企業まで幅広く活動する、職場のメンタルヘルスに精通した

精神科医が診察にあたります。

 

会社との連携にも素早く対応すべく、診断書も可能な限り即日発行を心がけています。