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精神科 睡眠外来 夢遊病(睡眠時遊行症:パラソムニア)とは

 夢遊病(睡眠時遊行症:パラソムニア)は、ノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りのときに生じる睡眠障害であり、覚醒の機能が上手く働かない睡眠障害の1種とされます。多くは3歳~9歳ごろに始まり、通常は睡眠機能の発達にともない消失していきますが、まれに成人でも発症します。

 

 睡眠中にもかかわらず、脳が部分的に覚醒したままであるため、ベッドから突然起き上がって歩き回る症状が特徴となります。両親が小児期に夢遊病の症状があった場合、夢遊病が遺伝的に発症しやすいことが分かっています。普段とは異なる環境(合宿、出張のときなど)で眠ると生じることもあります。

 

 睡眠不足の状態で眠りにつくと、深い眠りを取り戻そうとする代償機転がはたらき、深い眠りが出やすくなります。その結果、夢遊病のエピソードが起こりやすくなる場合もあります。

 

 

 

<夢遊病(睡眠時遊行症)で寝ている間にみられるエピソード>

・ベッド上で起き上がり、あたりを見回す

・ドアを開け閉めする

・クローゼットや押入れに入る

・着替えてコンビニへ行こうとする

・庭やベランダ、物置きなどトイレ以外の場所で用をたす

・台所で何かを作り出したり食べたりする

 

 

<チェックポイント>

・夜中に目覚めたらなぜか着替えていた

・朝目覚めたら、知らない間に足が汚れていた

・朝目覚めたら、寝る前には無かったはずの傷がついていた

・朝目覚めたら、寝る場所が大きく移動していた

・朝目覚めたら、何かを食べた跡があるが記憶がない

 

 

<考えられる原因>

・睡眠や生活リズムの乱れ、睡眠不足

・不安やストレス

・飲酒(アルコール)の影響

・精神安定剤などの薬による副作用

・発熱を伴う感染症(小児の場合)

・トイレに行きたくなり深睡眠から突然起きる

・いつもとは違う環境に泊まる

 

 

<鑑別疾患>

・夜驚症(睡眠時驚愕症)

・レム睡眠行動障害

・てんかん

・認知症

 

 

 

 最後に、夢遊病を未治療で放置するリスクとして、夜中に寝ている間に無意識な状態で歩き回るため、思わぬ大怪我をする恐れがあります。またぐっすり眠れていない(熟眠できていない)ため、翌日の日中の眠気が生じ、仕事のパフォーマンスや生活に大きく支障が出る可能性もあります。

 ただし、精神科の睡眠外来などを早期に受診し内服薬を開始することで、症状のコントロールがうまくつくケースもあります。上記の症状でお悩みの方は早期の受診を勧奨します。

 

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